働きかた

政府の働きかた改革実現会議もあり、昨年から働きかたについてのニュースが多いですね。

働きすぎによる心身の健康被害が社会問題になる一方、企業の競争力維持のためには長時間労働も行ってほしいという本音もあるでしょう。

 

私のサラリーマン時代の反省も込めて、思うことがあります。

働く方も雇う方も、「労働市場」という言葉をもう少し意識する必要があるのでは?ということです。

労働市場とは「資本主義下で、労働者と使用者により、需要・供給の法則に従って労働力を取引商品として形成される抽象的な市場。」(大辞林)とあり、 マクロ経済で語られる言葉ですが、労働者個人としても「自分の労働を企業に売る」、一企業としても「労働力を労働者から買う」という意識が必要ではないか?と思うのです。

 

一般に使われる「雇用」とか「勤務」という言葉は「安定」「継続」というイメージを持ちませんか?それは決して悪いことではないのですが、雇用され続け、雇用し続け、その関係性に変化が少ないように感じるのです。

 

自分の労働力を企業に売ると考えれば、売上(給料)を上げるためには売価(労働時間単価)を上げるか販売数(労働時間)を上げるかの2つしかありません。販売数(労働時間)を増やすには限界があるので、売価(労働時間単価)を上げる必要があります。

こういった意識を持つと労働者は会社がお客様という考えになり、どうやって労働力を高く売るか考える必要があります。商品開発(新たなスキルを身に着ける)が必要かもしれません。生産性の向上(現状の仕事のレベルアップ)が必要かもしれません。お客様(企業)のニーズを読み取る必要もあります。

一方で、今の企業が労働力の販売先としてふさわしくないと考えれば、より良い販売先の開拓(転職)にも興味を持つでしょう。

 

企業側も労働力を買うのですから、当然良い労働力は高い、という意識が必要です。従業員にもっと質の良い商品を販売してくれと要求を出す必要もあります。労働力を安く買う努力は必要です。給料以外の報酬(モチベーション向上策)も考える必要があります。

安く買うことに固執し、度を過ぎると「販売できません」となり労働者は退職するでしょうし、「この値段ならこれくらいの労働力しか提供できません」(モチベーションの低下)と生産性が落ちるかもしれません。新たな購入先の開拓(求人)にも苦戦するでしょう。

 

現状の労働法では労働力の販売側は契約の解除(退職)の自由が認められていますが、労働力の購入側(企業)が「あなたの労働力はもう必要ありません。」と解雇するにはハードルが非常に高く設定されています。労働者側も退職のデメリットは大きく、労働力を安売りしがちです。単純に売り買いとして考えられるわけではありません。

しかし、労働者も企業も、労働市場を意識した考えを持てば、お互いに甘えない、ビジネスパートナーとしての良い緊張関係が生まれると思うのですが、いかがでしょうか。